12.and I love you メンバーたちの後ろ(ステージ背面側)のミラーボールが回転し、会場を上から下に舐めるように白い光が駆け巡る。光、という生半可なものじゃない。光線とでも言いたくなるくらいに強い強い光の筋たちが、ステージから次から次へと送り出される。 ヒカリノアトリエツアーのヒカリノアトリエでの演出を思い出しつつ……それよりももっと強力な印象。 同時に放たれる幻想的なシンセの音色だけに乗せて、半アカペラ状態で彼の声が響き渡る。 まるで天啓のように。
覚えていることあるだろうか……「どーーーしよーーもなく急に」、からのとこ全部上パターンだった?「未来がまたひとつ」は繰り返さないパターンだった気がする。記憶ない………… でも聴きながら未完ツアーのときは不調の時ほどここを下げてたことを思い出して「絶好調だ……」と震えた記憶がうっすらあります。 そのand I love youを、心配ひとつなく聴けている衝撃。
この日聴いてて改めて思ったんだけど、and I love youって「Mr.Childrenの全部」って感じがする。 世間が言うところのMr.Childrenの代表的なイメージのひとつに「ラブソングのMr.Children」「バラードのMr.Children」というものがあると思う。だからこそ敢えて彼らは今「俺たちはロックバンドなんだ」と声を大にして標榜しているわけで……。 ラブソング・バラードでありながらもそのシャウトと演奏で「ロック」だと叫ぶこの曲。Mr.Childrenの武器全てを総動員した楽曲でもあるし、「ロックバンド」の奏でるラブバラードの真骨頂だよなぁ、と思いました。 選曲元のI♡UというアルバムがBank Bandの反動で「バンド・Mr.Children」として衝動を鳴らすことに立ち返ったアルバムだっただけに、重力と呼吸を出しロックバンドとしての自我を前面に押し出した今のMr.Childrenが選んだのは必然だったんだろうな、と思いました。
この曲もまた、and I love youに続いて「ラブソングでもロックバンドしてるぜ」と主張する1曲だったのだと思います。 高まり切った感情を表現するブレイク後の大サビなんて、あの切実な演奏なんて、ロックバンド以外のなにものでもない。 じぇんちゃんのドラムも、アウトロで手数を増やして畳み掛ける2016年GBGB以降バージョンだったはず。